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特殊引火物の覚え方。定義の「又は」と、4物質の貯蔵方法をセットで

特殊引火物は、第4類の中で指定数量が最も少なく(50L)、引火点・発火点・沸点の「最低記録」が集まる品名です。 法令では定義の数字と「又は/かつ」、性消では物質ごとの貯蔵方法が問われます。 4物質の性状を、貯蔵方法の理由とつなげて覚えるのが近道です。

結論
定義は発火点100℃以下、又は引火点-20℃以下かつ沸点40℃以下。指定数量は50L。 貯蔵は、ジエチルエーテル=密栓して冷暗所(過酸化物に注意)、二硫化炭素=水没貯蔵、アセトアルデヒド・酸化プロピレン=不活性ガスを封入。
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定義:発火点100℃以下、又は引火点-20℃以下かつ沸点40℃以下

消防法 別表第一 備考十一の定義は次のとおりです。

ジエチルエーテル、二硫化炭素その他一気圧において、発火点が一〇〇度以下のもの又は引火点が零下二〇度以下で沸点が四〇度以下のもの

条件は2つあり、どちらか一方を満たせば特殊引火物です。後半の「引火点-20℃以下で沸点40℃以下」は2つとも満たす必要があります。代表4物質がどちらの条件に当てはまるかを物性値から確かめると、次のとおりです。

代表4物質の性状

物質引火点発火点沸点液比重水に当てはまる条件
ジエチルエーテル-45℃160℃約34.6℃0.71わずかに溶ける引火点-20℃以下・沸点40℃以下
二硫化炭素-30℃90℃約46℃1.26溶けない発火点100℃以下
アセトアルデヒド-39℃資料により差約21℃0.78溶ける引火点-20℃以下・沸点40℃以下
酸化プロピレン-37℃資料により差約35℃0.83溶ける引火点-20℃以下・沸点40℃以下

出典:国際化学物質安全性カード(ICSC)、厚生労働省 職場のあんぜんサイト モデルSDS、メーカーSDS等を2ソース以上で照合(2026-07-05照合)。「資料により差」は資料間の食い違いが大きいため数値を載せていない項目です。

物性値テーブル全体で見ると、引火点の最低はジエチルエーテル(-45℃)、 発火点の最低は二硫化炭素(90℃)、沸点の最低はアセトアルデヒド(約21℃)で、いずれも特殊引火物です。ほかの品名との引火点の比較は引火点の覚え方にまとめています。

貯蔵方法は「その物質の弱点」から覚える

物質貯蔵・取扱いの要点
ジエチルエーテル光・空気で爆発性の過酸化物を生成。直射日光を避け密栓して冷暗所貯蔵
二硫化炭素水より重く水に溶けないため水中(水没)貯蔵で蒸気発生を抑える
アセトアルデヒド貯蔵タンクには窒素等の不活性ガスを封入
酸化プロピレン重合しやすく重合熱で発火・爆発のおそれ。窒素等の不活性ガスを封入して貯蔵
ジエチルエーテル:光と空気で過酸化物
光・空気に触れると爆発性の過酸化物ができるので、直射日光を避けて密栓し冷暗所へ。蒸気に麻酔性。
二硫化炭素:水より重く水に溶けない → 水の中へ
比重1.26で水に沈み、水に溶けないので、水を張って蒸気を抑えます。燃焼すると有毒な二酸化硫黄(亜硫酸ガス)を発生。
アセトアルデヒド・酸化プロピレン:不活性ガスを封入
どちらもタンクに窒素などの不活性ガスを封入します。アセトアルデヒドは酸化されると酢酸になる。酸化プロピレンは重合しやすく重合熱で発火・爆発のおそれ。

4物質に共通する「容器は密栓・火気を避ける・蒸気は低所に滞留」といった第4類全体の性質は第4類の性質の覚え方、アセトアルデヒド・酸化プロピレンのような水溶性の物質に使う泡は消火の覚え方で扱っています。

ひっかけの型

特殊引火物は、発火点100℃以下かつ引火点-20℃以下のもの → ×
発火点の条件とは「又は」でつながる → 特殊引火物の定義のひっかけ
二硫化炭素は水より軽いので、水に浮かべて貯蔵する → ×
比重1.26で水より重く、水中(水没)貯蔵 → 二硫化炭素は水没貯蔵のひっかけ
ジエチルエーテルは日光に当てて貯蔵しても変化しない → ×
光・空気で爆発性の過酸化物ができる → ジエチルエーテルの過酸化物のひっかけ
酸化プロピレンは水に溶けず、空気を満たして貯蔵する → ×
水によく溶け、不活性ガスを封入して貯蔵 → 酸化プロピレンの重合熱のひっかけ

指定数量50Lを第一石油類の数字と入れ替える誤り(特殊引火物の指定数量のひっかけ)、 アセトアルデヒドの貯蔵と酸化生成物の誤り(アセトアルデヒドの貯蔵と酸化のひっかけ)もあわせて確認できます。

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よくある質問

Q. 特殊引火物の定義は?
A. 1気圧で、発火点が100℃以下のもの、または引火点が-20℃以下で沸点が40℃以下のものです(消防法 別表第一 備考十一)。ジエチルエーテルと二硫化炭素は条文に名前が挙がっています。2つの条件は「又は」でつながり、後半の引火点と沸点は両方を満たす必要があります。
Q. 特殊引火物の指定数量は?
A. 50Lで、第4類の品名の中で最も少ない数量です。第一石油類(非水溶性)の200Lと入れ替えた選択肢に注意します。
Q. 二硫化炭素を水の中で貯蔵するのはなぜですか?
A. 二硫化炭素は水より重く(比重1.26)、水に溶けないためです。容器に水を張って液面を覆うと、可燃性の蒸気の発生を抑えられます。燃えると有毒な二酸化硫黄(亜硫酸ガス)を出す点もあわせて押さえます。

参考:消防法 別表第一 備考十一(e-Gov法令検索)、危険物の規制に関する政令 別表第三、国際化学物質安全性カード(ICSC)、厚生労働省 職場のあんぜんサイト(モデルSDS)、メーカーSDS。数値は乙4の学習で一般的に用いられる値で、資料によって幅があります。

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