甲4の製図の対策:警戒区域・感知器の個数・配線の考え方
甲4の実技は鑑別等5問・製図2問で、実技全体で60%以上が必要です。 製図は図面を使った記述式ですが、答えの多くは条文の数字で決まります。警戒区域の分け方、感知器の個数、配線のルールを 「数字→計算」の順で身につければ、図面の上で迷う場面が減ります。
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製図で使う数字は条文で決まっている
消防試験研究センターは実技試験の方法を「写真・イラスト・図面等による記述式」としています(試験の方法)。このページでは、図面の上で答えを決める条文の数字だけを扱います。センターの公表問題の内容は使っていません。 数字のもとは次の3つです。
- 警戒区域:消防法施行令第21条第2項第2号(面積・一辺)、消防法施行令第21条第2項第1号、消防法施行規則第23条第1項(階)
- 感知器の種別・感知面積・取付け位置:消防法施行規則第23条第4項第3号ロ(表) ほか規則第23条
- 配線・発信機・地区音響装置:消防法施行規則第24条第1号ヘ ほか規則第24条
どの防火対象物に自動火災報知設備が必要か(延べ面積の基準)は製図の前提になる知識で、法令の類別部分でも問われます。感知器の表の全体は感知器の種類と設置基準にまとめています。
手順1:警戒区域を分ける
警戒区域は、火災が起きた区域を他の区域と区別して識別できる最小単位です。一の警戒区域は面積600㎡以下、一辺50m以下 (光電式分離型感知器を設ける場合は100m以下)。主要な出入口から内部を見通せる場合は面積1000㎡以下にできます。
手順2:感知区域ごとに感知器の個数を計算する
感知器は「感知区域ごとに、感知面積につき1個以上」です。個数は感知区域の面積÷感知面積を切り上げます。 感知区域は、取付け面から0.4m(差動式分布型・煙感知器は0.6m)以上突出したはり等で区画された部分です(消防法施行規則第23条第4項第3号ロ)。
| 床面積150㎡の居室(取付け面4m未満) | 計算 | 個数 |
|---|---|---|
| 差動式スポット型二種・耐火構造(70㎡) | 150÷70=2.14 | 3個 |
| 差動式スポット型二種・その他の構造(40㎡) | 150÷40=3.75 | 4個 |
| 光電式スポット型二種(150㎡) | 150÷150=1 | 1個 |
はりがある場合:同じ150㎡の居室が、突出0.5mのはりで90㎡と60㎡に分かれているとします。 差動式スポット型は0.4m以上のはりで感知区域が分かれるので、耐火構造の二種なら2個+1個=3個。 煙感知器は0.6m未満のはりでは感知区域が分かれないので、150㎡のまま1個です。区域を分けてから割る、の順番を崩さないことが大事です。
手順3:廊下・階段の煙感知器
廊下・通路と階段・傾斜路は面積ではなく距離で数えます。廊下は歩行距離30mにつき1個以上、階段は垂直距離15mにつき1個以上(一種・二種。消防法施行規則第23条第4項第7号ヘ)。
- 歩行距離50mの廊下:50÷30=1.67 → 2個
- 垂直距離20mの階段:20÷15=1.33 → 2個
手順4:配線(送り配線・終端器・共通線)
感知器の信号回路は、導通試験ができるように送り配線にし、回路の末端に発信機・押しボタン又は終端器を設けます(消防法施行規則第24条第1号イ)。受信機の近くに終端器を置いて枝分かれさせる配線は×です。 共通線は1本につき7警戒区域以下(R型・GR型で固有信号の感知器・中継器をつなぐ回路を除く)なので、10警戒区域なら10÷7=1.43 → 2本必要です。 P型受信機の感知器回路の電路の抵抗は50Ω以下とします。
手順5:発信機と地区音響装置の配置
発信機は、各階ごとに各部分から一の発信機までの歩行距離が50m以下、床面から0.8m以上1.5m以下に設け、 直近に赤色の表示灯を設けます(消防法施行規則第24条第8号の2)。地区音響装置は、各階ごとに各部分から一の地区音響装置までの水平距離が25m以下です(消防法施行規則第24条第5号イ・ハ・ニ、第5号の2イ)。「歩行距離」と「水平距離」、50mと25mの入れ替えに注意してください。
このひっかけを○×で確認する
○か×か:一の警戒区域の面積が600平方メートル以下であれば、その警戒区域を防火対象物の2の階にわたらせることができる。
規則第23条第1項は、一の警戒区域の面積が500平方メートル以下で、かつ防火対象物の2の階にわたる場合を例外としています。600平方メートルは一の警戒区域の面積の上限(令第21条第2項第2号)で、別の数字です。(出典:消防法施行令第21条第2項第1号・消防法施行規則第23条第1項)
○か×か:特定主要構造部を耐火構造とした防火対象物で取付け面の高さが4メートル未満の床面積140平方メートルの感知区域には、差動式スポット型感知器二種を2個以上設ける必要がある。
規則第23条第4項第3号ロは、感知区域ごとに表の床面積につき1個以上を設けると定めています。耐火構造・4m未満の差動式スポット型二種は70㎡なので、140÷70=2で2個以上になります。(出典:消防法施行規則第23条第4項第3号ロ(表))
○か×か:耐火構造以外の防火対象物で取付け面の高さが4メートル未満の床面積100平方メートルの感知区域には、差動式スポット型感知器二種を2個設ければ足りる。
その他の構造・4m未満の差動式スポット型二種の感知面積は40㎡です。100÷40=2.5となり、「40㎡につき1個以上」を満たすには端数を切り上げて3個以上が必要です。耐火構造(70㎡)と取り違えると2個と誤ります。(出典:消防法施行規則第23条第4項第3号ロ(表))
○か×か:P型受信機の感知器回路で12の警戒区域がある場合、共通線を1本とすることができる。
規則第24条第1号ヘにより、共通線は一本につき7警戒区域以下です。12の警戒区域では1本では足りず、2本以上必要になります。この制限がないのは、R型受信機・GR型受信機に接続される固有の信号を有する感知器又は中継器が接続される回路だけです。(出典:消防法施行規則第24条第1号ヘ)
○か×か:発信機は、各階ごとに、その階の各部分から一の発信機までの歩行距離が50メートル以下となるように設ける。
規則第24条第8号の2イは、発信機を各階ごとに、その階の各部分から一の発信機までの歩行距離が50m以下となるように設けると定めています。地区音響装置の「水平距離25m以下」と、距離の種類と数字を区別します。(出典:消防法施行規則第24条第8号の2)
甲4全体の科目と順番は甲4の難易度と合格率、実技のもう一方(鑑別)は実技(鑑別)対策にあります。
よくある質問
出典:消防法・消防法施行令・消防法施行規則(e-Gov法令検索)、一般財団法人消防試験研究センター「消防設備士試験」受験案内・試験科目及び問題数・試験の方法・受験資格・試験の一部免除一覧表・試験実施状況(令和7年度)・よくある質問(2026年10月23日確認)。
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