乙4の引火点の覚え方。ガソリン・灯油・軽油と「最低記録」を押さえる
引火点は、性消(危険物の性質)でも物理化学でも出てくる乙4の基本の数字です。 全部の物質を丸暗記する必要はありません。ガソリン・灯油・軽油の3つと、引火点・発火点がいちばん低い物質、そして品名を分ける境目の温度を押さえれば、定番のひっかけに対応できます。
結論
ガソリン-40℃以下/灯油40℃以上/軽油45℃以上。引火点の最低はジエチルエーテル(-45℃)、発火点の最低は二硫化炭素(90℃)。 発火点はガソリン約300℃が灯油・軽油約220℃より高い(引火点と順番が逆転する)。
引火点のひっかけを、今すぐ○×で解く
「燃焼・消火の理論」エリアは無料。引火点と発火点の定義の入れ替えから始められます。ガソリン・灯油や特殊引火物のエリアもお試しで解けます。
無料・登録不要・すぐ始まる
主な第4類の引火点・発火点・燃焼範囲
| 物質(品名) | 引火点 | 発火点 | 燃焼範囲 |
|---|---|---|---|
| ジエチルエーテル 特殊引火物 | -45℃ | 160℃ | 資料により差 |
| 二硫化炭素 特殊引火物 | -30℃ | 90℃ | 1〜50vol% |
| アセトアルデヒド 特殊引火物 | -39℃ | 資料により差 | 4〜60vol% |
| ガソリン(自動車用) 第一石油類 | -40℃以下 | 約300℃ | 1.4〜7.6vol% |
| ベンゼン 第一石油類 | -11℃ | 資料により差 | 1.2〜7.8vol% |
| トルエン 第一石油類 | 4℃ | 480℃ | 1.1〜7.1vol% |
| アセトン 第一石油類 | -20℃ | 465℃ | 2.2〜13vol% |
| メタノール アルコール類 | 11℃ | 資料により差 | 6〜36.5vol% |
| エタノール アルコール類 | 13℃ | 資料により差 | 3.3〜19vol% |
| 灯油 第二石油類 | 40℃以上 | 約220℃ | 1.1〜6vol% |
| 軽油 第二石油類 | 45℃以上 | 約220℃ | 1〜6vol% |
| 酢酸 第二石油類 | 39℃ | 資料により差 | 資料により差 |
| 重油 第三石油類 | 60〜150℃ | 250〜380℃ | — |
| ギヤー油 第四石油類 | 220℃ | — | — |
| アマニ油 動植物油類 | 資料により差 | 343℃ | — |
出典:各物質の安全データシート(厚生労働省 職場のあんぜんサイト モデルSDS、国際化学物質安全性カード(ICSC)、メーカーSDS等)を2ソース以上で照合し、乙4の学習で一般的な値を採用。 「資料により差」は資料間の食い違いが大きいため数値を載せていない項目です。重油の引火点はJIS区分(1種〜3種)による幅。
品名は「引火点の境目」で分かれる
第4類の品名(特殊引火物・第一石油類…)は、法律上ほぼ引火点で区分されています。 物質の数字を覚える前に、この境目を押さえると「ガソリンは何類か」「灯油は何類か」から引火点の範囲が逆算できます。
| 品名 | 区分の基準(1気圧) | 主な物質(引火点) |
|---|---|---|
| 特殊引火物 | 発火点100℃以下、または引火点-20℃以下かつ沸点40℃以下 | ジエチルエーテル(-45℃)・二硫化炭素(-30℃)・アセトアルデヒド(-39℃) |
| 第一石油類 | 引火点21℃未満 | ガソリン(自動車用)(-40℃以下)・ベンゼン(-11℃)・トルエン(4℃) |
| アルコール類 | 炭素数1〜3個の飽和一価アルコール(引火点ではなく構造で決まる) | メタノール(11℃)・エタノール(13℃)・2-プロパノール |
| 第二石油類 | 引火点21℃以上70℃未満 | 灯油(40℃以上)・軽油(45℃以上)・キシレン |
| 第三石油類 | 引火点70℃以上200℃未満 | 重油・クレオソート油・アニリン |
| 第四石油類 | 引火点200℃以上250℃未満 | ギヤー油(220℃)・シリンダー油 |
| 動植物油類 | 動植物から抽出した油で、引火点250℃未満 | アマニ油 |
出典:消防法 別表第一 備考十一〜十七(e-Gov法令検索で確認)。重油・クレオソート油は第三石油類、ギヤー油・シリンダー油は第四石油類として条文に名前が挙がっています。
覚え方:3つの数字と2つの「最低」
ガソリンはマイナス、灯油・軽油はプラス
ガソリン-40℃以下は冬の屋外でも引火する。灯油40℃以上・軽油45℃以上は常温より高い。 灯油と軽油は「軽油のほうが少し高い」と順番で覚える。
品名の境目と照らし合わせる
ガソリンは第一石油類(引火点21℃未満)、灯油・軽油は第二石油類(21℃以上70℃未満)。数字を忘れても、品名から範囲を確かめられる。
「最低記録」は特殊引火物が独占
引火点の最低はジエチルエーテル(-45℃)、発火点の最低は二硫化炭素(90℃)、 沸点の最低はアセトアルデヒド(約21℃)。二硫化炭素は特殊引火物の基準「発火点100℃以下」に当てはまる代表例。
ひっかけの型
ガソリンの引火点は40℃ → ×
-40℃以下。灯油の40℃と符号だけ変えて出る → ガソリンの引火点のひっかけ
点火源がなくても燃え出す最低温度が引火点 → ×
それは発火点。引火点は点火源を近づけたとき引火する最低の液温 → 引火点の定義のひっかけ
引火点が最も低いのは二硫化炭素 → ×
最も低いのはジエチルエーテル。発火点の最低と入れ替えて出る → 引火点の最低のひっかけ
ガソリンは引火点が低いので発火点も低い → ×
発火点はガソリン約300℃、灯油・軽油約220℃で逆転 → ガソリンの発火点のひっかけ
このほか、「灯油は常温では絶対に引火しない」という断定も×です。霧状になったり布に染み込んだりすると、引火点より低い液温でも引火の危険があります (灯油・軽油の霧状のひっかけ)。
引火点のひっかけを解く →登録不要・インストール不要
よくある質問
Q. ガソリン・灯油・軽油の引火点はいくつですか?
A. ガソリン-40℃以下、灯油40℃以上、軽油45℃以上です。ガソリンの「-40」と灯油の「40」は符号が違うだけの数字なので、入れ替えて出されても気づけるようにしておきます。
Q. 引火点と発火点の違いは何ですか?
A. 引火点は、炎などの点火源を近づけたときに引火する最低の液温です。発火点は、点火源がなくても自ら燃え出す最低の温度です。同じ物質なら一般に発火点のほうが高くなります。
Q. 第4類で引火点・発火点が一番低いのはどれですか?
A. 引火点が最も低いのはジエチルエーテル(-45℃)、発火点が最も低いのは二硫化炭素(90℃)です。どちらも特殊引火物なので、2つを入れ替えた選択肢に注意します。
参考:消防法 別表第一 備考(e-Gov法令検索)、厚生労働省 職場のあんぜんサイト(モデルSDS)、国際化学物質安全性カード(ICSC)、各社SDS。数値は乙4の学習で一般的に用いられる値で、製品や資料によって幅があります。
無料でひっかけドリルを始める →登録不要・インストール不要