消防設備士の実技(鑑別)対策:乙6・甲4で問われることと答え方
実技の鑑別等は、乙6・甲4とも5問の記述式です。消防試験研究センターは実技の方法を「写真・イラスト・図面等による記述式」としていて、 選択肢はありません。問われる中身は筆記と同じ規格・点検の知識ですが、名称と数値を自分で書ける状態にしておく必要があります。
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鑑別等の問題数と形式
| 種類 | 実技の問題数 | 主な対象 |
|---|---|---|
| 乙6 | 鑑別等5問 | 消火器 |
| 甲4 | 鑑別等5問・製図2問 | 自動火災報知設備など |
出典:消防試験研究センター「試験科目及び問題数」・「試験の方法」。
合格には筆記の基準に加えて実技で60%以上が必要です(合格基準の記事)。甲4の製図は製図の対策で別に扱います。
○×の知識を「書ける答え」に変える
筆記の○×や四肢択一は、選択肢の中に正しい数字があれば見分けられます。鑑別では、写真を見て名称を書き、数字を書きます。 そこで、ドリルで×の問題に当たったら「正しくは何か」を声に出すか書き出してから次へ進んでください。 例えば「安全栓のリング部は赤色」が×なら「黄色」、「蓄圧式の内部点検は製造年から3年」が×なら 「5年」と、正しい側を自分で出す練習です。
乙6:消火器で答えになる名称と数値
| 問われる対象 | 答えになる名称・数値 |
|---|---|
| 蓄圧式の内圧を示す部品(消火器の技術上の規格を定める省令第28条第1号・第6号・第7号) | 指示圧力計(使用圧力の範囲は緑色、許容誤差は上下10%以内) |
| 不時の作動を防ぐ部品(消火器の技術上の規格を定める省令第21条) | 安全栓(リング部は黄色、内径2cm以上) |
| 使ったかどうかを判別する部品(消火器の技術上の規格を定める省令第21条の2) | 使用済みの表示装置(指示圧力計のある蓄圧式などは不要) |
| キャップを外す途中で内圧を逃がす部分(消火器の技術上の規格を定める省令第13条第4号) | 減圧孔又は減圧溝 |
| キャップの開閉に使う工具(消防用設備等の点検要領 第1 消火器具 1 一般的留意事項(3)(4)) | キャップスパナ(ハンマーで叩かない) |
| 本体容器の耐圧性能の点検(消防用設備等の点検要領 第1 消火器具 別添2 消火器の耐圧性能に関する点検方法) | 耐圧試験機。水道水で満水にし、所定の水圧を5分間 |
| 指示圧力計のない二酸化炭素消火器の確認(消防用設備等の点検要領 第1 消火器具 2 機器点検(消火器の外形・指示圧力計)) | 質量を測定する |
| 内部及び機能の点検を始める時期(消防用設備等の点検の基準(昭和50年消防庁告示第14号)別表第1 消火器具の点検の基準 (4)) | 加圧式は製造年から3年、蓄圧式は5年、化学泡は設置後1年 |
| 粉末消火器の分解清掃(消防用設備等の点検要領 第1 消火器具 1 一般的留意事項(5)、別添1 第3 加圧方式の区分による確認の順序) | 乾燥した圧縮空気等で清掃(水分は禁物) |
加圧式か蓄圧式かは、指示圧力計の有無が手がかりになります。蓄圧式(二酸化炭素消火器とハロン1301消火器を除く)には指示圧力計の設置義務があり、 加圧式にはありません(消火器の技術上の規格を定める省令第28条)。規格の数字の全体は消火器の規格の覚え方にまとめています。
○か×か:二酸化炭素消火器は、指示圧力計を設ける義務の対象から除かれている。
規格省令第28条は、二酸化炭素消火器とハロン1301消火器を指示圧力計の設置義務から除いています。その代わり、点検では質量を測定して消火薬剤量を確認します。(出典:消火器の技術上の規格を定める省令第28条)
○か×か:レバーを握って作動させる手さげ式の消火器の安全栓のリング部は、赤色仕上げとしなければならない。
規格省令第21条第3項は、手さげ式の消火器(押し金具をたたく一動作やふたをあけて転倒させる動作で作動するものを除く)と据置式の消火器の安全栓について、リング部の塗色を黄色仕上げとしています。(出典:消火器の技術上の規格を定める省令第21条)
○か×か:指示圧力計は、使用圧力の範囲を示す部分を赤色で明示しなければならない。
規格省令第28条第7号は、使用圧力の範囲を示す部分を緑色で明示するよう定めています。点検でも「緑色範囲内にあるか」で判定します。(出典:消火器の技術上の規格を定める省令第28条第1号・第6号・第7号)
甲4:感知器・発信機・受信機で答えになる名称と数値
| 問われる対象 | 答えになる名称・数値 |
|---|---|
| 温度の上昇率で作動する感知器(火災報知設備の感知器及び発信機に係る技術上の規格を定める省令第2条第2号・第3号) | 差動式(スポット型=一局所、分布型=広範囲の累積) |
| 一定の温度で作動する感知器(火災報知設備の感知器及び発信機に係る技術上の規格を定める省令第14条第1項) | 定温式(公称作動温度は60〜150度) |
| 煙で作動する感知器(火災報知設備の感知器及び発信機に係る技術上の規格を定める省令第2条第8号〜第10号・第16号・第17号) | イオン化式スポット型(イオン電流)・光電式スポット型(受光量)・光電式分離型(広範囲の煙の累積) |
| 差動式分布型(空気管式)の空気管(火災報知設備の感知器及び発信機に係る技術上の規格を定める省令第8条第4号ハ・ニ・ホ) | 肉厚0.3mm以上・外径1.94mm以上、一の検出部に100m以下 |
| 感知器回路の末端に付けるもの(消防法施行規則第24条第1号イ) | 終端器(送り配線にして導通試験ができるようにする) |
| 手動で火災信号を送る機器(火災報知設備の感知器及び発信機に係る技術上の規格を定める省令第32条) | P型発信機(保護板は20Nで破れず80Nで破れる。一級は確認装置と電話連絡装置つき) |
| 感知器回路の絶縁抵抗の測定(消防法施行規則第24条第1号ロ) | 直流250Vの絶縁抵抗計で0.1MΩ以上(警戒区域ごと) |
| 受信機が火災を表示する装置(受信機に係る技術上の規格を定める省令第6条第1項・第4項・第5項) | 赤色の火災灯・主音響装置(火災の発生)、地区表示装置(警戒区域) |
| 受信機の主音響装置の音圧(受信機に係る技術上の規格を定める省令第4条第1号ロ・ハ) | 前方1mで85dB以上(P型三級は70dB以上) |
絶縁抵抗は、設置後の回路(規則第24条)は直流250Vの絶縁抵抗計、機器の規格(感知器・発信機・受信機)は直流500Vで測る値が定められていて、電圧を入れ替えると×になります。感知器の種類と設置基準の全体は感知器の覚え方へ。甲4のドリルは自火報の設置・配線・試験から無料で始められます。
○か×か:指先で押し破る構造のP型発信機の保護板は、20ニュートンの静荷重では押し破られず、80ニュートンの静荷重で押し破られるものでなければならない。
規格省令第32条第5号は、指先で押し破る構造の保護板について、中央部の直径20mmの円内に20Nの静荷重を加えたときは押し破られず、80Nの静荷重で押し破られることと定めています。20Nと80Nの両方の条件を満たす必要があります。(出典:火災報知設備の感知器及び発信機に係る技術上の規格を定める省令第32条第5号)
○か×か:自動火災報知設備の感知器回路の絶縁抵抗は、直流500ボルトの絶縁抵抗計で測定しなければならない。
規則第24条第1号ロは、電源回路・感知器回路とも直流250Vの絶縁抵抗計で計った値で基準を定めています。直流500Vの絶縁抵抗計は、感知器や受信機など機器そのものの規格省令の試験で使う値です。(出典:消防法施行規則第24条第1号ロ)
ドリルのどのエリアが鑑別につながるか
| エリア | 鑑別で書く内容 |
|---|---|
| 消火器の構造・点検整備 | 点検の時期・方法、使う器具、分解の順序 |
| 消火器・消火薬剤の規格 | 部品の名称と規格上の色・数値 |
| 自火報の設置・配線・試験 | 感知器の取付け位置、配線、試験の数値 |
| 感知器・受信機の規格 | 感知器・発信機・受信機の名称と規格の数値 |
甲4で電気工事士の免状がある場合、実技の鑑別等のうち1問が免除されます(150分の試験時間。科目免除の一覧)。
よくある質問
出典:消防法・消防法施行令・消防法施行規則(e-Gov法令検索)、一般財団法人消防試験研究センター「消防設備士試験」受験案内・試験科目及び問題数・試験の方法・受験資格・試験の一部免除一覧表・試験実施状況(令和7年度)・よくある質問(2026年10月23日確認)。
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