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乙4の性質の覚え方。第4類の共通性状は「原則と例外」で覚える

性消(危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法)は、扱う物質の数が多い科目です。 近道は、まず第4類に共通する性質(原則)を押さえ、次に原則から外れる例外の物質だけを覚えること。 ひっかけは「すべて」「いずれも」と原則を言い切って、例外の存在で×にする形が定番です。

結論
原則は常温で液体/蒸気は空気より重い/水より軽く水に溶けないものが多い/静電気がたまりやすい。 例外は水より重い(二硫化炭素・酢酸・クロロベンゼン・クレオソート油など)と水に溶ける(アルコール類・アセトン・グリセリンなど)の2グループ。 「蒸気が空気より重い」は、試験に出る主な物質すべてに当てはまる。
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第4類の共通性状:原則と例外

項目原則と例外・ひっかけ
状態すべて液体(引火性液体)
「固体のものも含まれる」は×。固体で引火しやすいものは第2類(引火性固体)
引火性すべて引火点をもつ引火性液体
霧状にしたり布に染み込ませたりすると、引火点より低い液温でも引火の危険がある
蒸気の重さ蒸気は空気より重い(蒸気比重は1より大きい)
低所に滞留する。「空気より軽い」「天井付近にたまる」は×
液体の重さ水より軽いものが多い
二硫化炭素・酢酸・クロロベンゼンなど水より重い例外がある。「すべて水より軽い」は×
水への溶けやすさ水に溶けないものが多い
アセトン・メタノール・エタノール・グリセリンなどは水によく溶ける。「いずれも水に溶けない」は×
電気多くは電気の不導体で、静電気が発生・蓄積しやすい
「良導体」は×。対策は流速を抑える・接地する・湿度を高く保つ(「湿度を低く」は×)
燃え方液面から蒸発した可燃性蒸気が燃える(蒸発燃焼)
「液体そのものが直接燃える」は×

例外1:水より重いもの

「第4類はすべて水より軽い」を×にするための物質です。比重(水=1)が1を超えるものを並べました。

物質品名比重水に溶けるか
二硫化炭素特殊引火物約1.26溶けない
酢酸第二石油類約1.05溶ける
クロロベンゼン第二石油類約1.1溶けない
クレオソート油第三石油類約1.1溶けない
アニリン第三石油類約1.02わずかに溶ける
ニトロベンゼン第三石油類約1.2溶けない
グリセリン第三石油類約1.26溶ける
エチレングリコール第三石油類約1.1溶ける

逆のひっかけが重油です。名前から「水より重い」と思わせますが、比重は0.9〜1.0程度で水よりやや軽い側です。二硫化炭素は水より重く水に溶けないことを利用して、水中に沈めて(水没させて)貯蔵します。

例外2:水に溶けるもの(水溶性)

水溶性の物質は、指定数量が非水溶性の2倍になる品名があり(第一〜第三石油類)、消火では耐アルコール泡が必要になります。 性質・法令・消火のどれでも問われるので、まとめて覚えておきます。

物質品名指定数量
アセトアルデヒド特殊引火物50L
酸化プロピレン特殊引火物50L
アセトン第一石油類400L
ピリジン第一石油類400L
メタノールアルコール類400L
エタノールアルコール類400L
2-プロパノールアルコール類400L
酢酸第二石油類2,000L
グリセリン第三石油類4,000L
エチレングリコール第三石油類4,000L

注意したいのは酢酸エチル・メチルエチルケトン(MEK)です。水にある程度溶けるのに、消防法上は非水溶性の区分(指定数量200L)。「水に溶けるから水溶性」と考えると間違えます。

出典:比重・水溶性は各物質の安全データシート(厚生労働省 職場のあんぜんサイト モデルSDS、国際化学物質安全性カード(ICSC)、メーカーSDS等)を2ソース以上で照合。指定数量は危険物の規制に関する政令 別表第三(e-Gov法令検索)。

物質別:これだけは押さえる要点

特殊引火物は「最低記録」と「貯蔵方法」
ジエチルエーテルは引火点が最も低い(-45℃)。光・空気で爆発性の過酸化物をつくるので密栓して冷暗所へ。二硫化炭素は発火点が最も低い(約90℃)。アセトアルデヒドは沸点が最も低い(約21℃)。貯蔵タンクには窒素などの不活性ガスを封入する。
毒性は「強いほう」を覚える
ベンゼンとトルエンではベンゼンのほうが毒性が強い。メタノールとエタノールでは、失明・死亡のおそれがある強い毒性はメタノール。グリセリンとエチレングリコールでは、有毒なのはエチレングリコール(不凍液)。
見た目・炎の色
ガソリンは本来無色だが、自動車用はオレンジ系に着色されている。メタノール・エタノールの炎は淡青白色で、明るい場所では燃えていても見えにくい。
名前にだまされない
ニトロベンゼンはニトロ基をもつが爆発性はなく、第4類の第三石油類。酢酸は比重約1.05と水より重く、気温が低いと凝固することがある(高純度のものは氷酢酸と呼ばれる)。 アマニ油のような乾性油は酸化されやすく、ぼろ布に染み込むと自然発火のおそれがある。

ひっかけの型

第4類の蒸気は空気より軽く、天井付近にたまる → ×
蒸気はすべて空気より重く、低所に滞留する → 蒸気の重さのひっかけ
第4類はすべて水より軽い → ×
二硫化炭素・酢酸などは水より重い → 液比重の例外のひっかけ
重油は水より重い → ×
比重0.9〜1.0程度で水よりやや軽い → 重油の比重のひっかけ
メチルエチルケトンは水に溶けるので水溶性区分 → ×
水にかなり溶けるが、消防法上は非水溶性区分 → メチルエチルケトンのひっかけ

ガソリン(比重約0.7)のように水に浮く物質が多いことは、消火の問題にもつながります。消火剤の選び方は乙4の消火の覚え方で、引火点の数字は乙4の引火点の覚え方で整理しています。

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よくある質問

Q. 第4類の危険物はすべて水より軽いですか?
A. いいえ。水より軽いものが多いですが、二硫化炭素・酢酸・クロロベンゼン・クレオソート油・アニリン・ニトロベンゼン・グリセリン・エチレングリコールなどは比重が1より大きく水より重い例外です。逆に重油は名前に反して比重0.9〜1.0程度で、水よりやや軽い側です。
Q. 第4類で水に溶けるものはどれですか?
A. アセトアルデヒド・酸化プロピレン・アセトン・ピリジン・メタノール・エタノール・2-プロパノール・酢酸・グリセリン・エチレングリコールなどです。水溶性の液体の火災には、普通の泡ではなく耐アルコール泡を使います。なお酢酸エチル・メチルエチルケトン(MEK)は水にある程度溶けますが、消防法上は非水溶性の区分です。
Q. 蒸気が空気より軽い第4類の危険物はありますか?
A. 乙4の試験では「第4類の蒸気は空気より重く、低い所に滞留する」と押さえます。当サイトの物性値表(主な28物質)で蒸気比重が最も小さいメタノールでも約1.1で、空気(1)より重くなっています。

参考:厚生労働省 職場のあんぜんサイト(モデルSDS)、国際化学物質安全性カード(ICSC)、各社SDS、消防法 別表第一 備考、危険物の規制に関する政令 別表第三(e-Gov法令検索)。数値は乙4の学習で一般的に用いられる値で、資料によって幅があります。

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