感知器の種類と設置基準の覚え方(甲4):取付け面の高さと感知面積
甲4の「構造・機能・工事・整備」20問は、電気に関する部分12問と規格8問です。 感知器の設置基準は消防法施行規則第23条にまとまっていて、表の数字が多い分、高さの区分・構造(耐火かどうか)・種別のどれかをずらしたひっかけが作りやすい分野です。
無料・登録不要・すぐ始まる
取付け面の高さで使える感知器が決まる
高くなるほど使える感知器が減ります。差動式スポット型は8m未満まで、差動式分布型は15m未満まで、という「どこで消えるか」で覚えます。
| 取付け面の高さ | 設けられる感知器 |
|---|---|
| 4m未満 | 差動式スポット型、差動式分布型、補償式スポット型、定温式、イオン化式スポット型・光電式スポット型 |
| 4m以上8m未満 | 差動式スポット型、差動式分布型、補償式スポット型、定温式特種・一種、イオン化式スポット型一種・二種・光電式スポット型一種・二種 |
| 8m以上15m未満 | 差動式分布型、イオン化式スポット型一種・二種・光電式スポット型一種・二種 |
| 15m以上20m未満 | イオン化式スポット型一種・光電式スポット型一種 |
出典:消防法施行規則第23条第4項第2号。
取付け面の高さが20m以上の場所には、炎感知器以外の感知器を設けません。 天井と上階の床との間が0.5m未満の天井裏にも設けません(消防法施行規則第23条第4項第1号イ・ロ・ハ・ホ)。
熱スポット型の感知面積
感知区域ごとに、次の床面積につき1個以上設けます。耐火構造(特定主要構造部を耐火構造としたもの)のほうが広く、高さが上がると狭くなります。
| 取付け面の高さ4m未満 | 耐火構造 | その他の構造 |
|---|---|---|
| 差動式スポット型一種 | 90㎡ | 50㎡ |
| 差動式スポット型二種 | 70㎡ | 40㎡ |
| 補償式スポット型一種 | 90㎡ | 50㎡ |
| 補償式スポット型二種 | 70㎡ | 40㎡ |
| 定温式スポット型特種 | 70㎡ | 40㎡ |
| 定温式スポット型一種 | 60㎡ | 30㎡ |
| 定温式スポット型二種 | 20㎡ | 15㎡ |
| 取付け面の高さ4m以上8m未満 | 耐火構造 | その他の構造 |
|---|---|---|
| 差動式スポット型一種 | 45㎡ | 30㎡ |
| 差動式スポット型二種 | 35㎡ | 25㎡ |
| 補償式スポット型一種 | 45㎡ | 30㎡ |
| 補償式スポット型二種 | 35㎡ | 25㎡ |
| 定温式スポット型特種 | 35㎡ | 25㎡ |
| 定温式スポット型一種 | 30㎡ | 15㎡ |
| 定温式スポット型二種 | 設置不可 | 設置不可 |
出典:消防法施行規則第23条第4項第3号ロ(表)。「設置不可」は、4m以上8m未満の高さには定温式スポット型二種を設けられない(高さの表に入っていない)ことを示します。
「耐火構造以外の4m未満で差動式スポット型二種は70㎡」は、耐火構造の数字を持ってきた×です(正しくは40㎡)。 個数の計算(床面積÷感知面積の切り上げ)は製図の対策で例を使って説明しています。
煙感知器の感知面積と廊下・階段
| 煙感知器 | 4m未満 | 4m以上20m未満 |
|---|---|---|
| 一種・二種 | 150㎡ | 75㎡ |
| 三種 | 50㎡ | 設置不可 |
廊下・通路は歩行距離30m(三種は20m)につき1個以上、 階段・傾斜路は垂直距離15m(三種は10m)につき1個以上です (消防法施行規則第23条第4項第7号ヘ)。「階段は垂直距離30mにつき1個」は、廊下の数字を持ってきた×です。
取付け位置の数字
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| 熱スポット型の下端(消防法施行規則第23条第4項第3号イ) | 取付け面の下方0.3m以内 |
| 煙感知器の下端(消防法施行規則第23条第4項第7号イ〜ニ) | 取付け面の下方0.6m以内 |
| 煙感知器と壁・はり(消防法施行規則第23条第4項第7号イ〜ニ) | 0.6m以上離す |
| 空気吹出し口から(消防法施行規則第23条第4項第8号) | 1.5m以上離す(差動式分布型・光電式分離型・炎感知器を除く) |
| 感知区域を分けるはり(消防法施行規則第23条第4項第3号ロ) | 0.4m以上の突出(差動式分布型・煙感知器は0.6m以上) |
| スポット型の傾斜(消防法施行規則第23条第4項第9号・第4号ホ) | 45度以上傾けない(分布型の検出部は5度) |
| 定温式の設置場所(消防法施行規則第23条第4項第6号) | 最高周囲温度が公称作動温度より20度以上低い場所 |
熱と煙で数字が違うもの(下端、感知区域を分けるはりの高さ)は、煙の側が大きい、と覚えると入れ替えに気づけます。 煙感知器は、天井が低い居室・狭い居室では入口付近、天井付近に吸気口のある居室では吸気口付近に設けます。吹出し口からは離し、吸気口には近づける、と逆になる点がひっかけになります。
煙感知器が必要な場所・設けない場所
階段・傾斜路、エレベーターの昇降路・リネンシュート・パイプダクトなどには煙感知器を設けます(消防法施行規則第23条第5項第1号・第3号・第4号・第5号)。 「階段に差動式スポット型を設ければ足りる」は×です。一方、厨房など正常時に煙が滞留する場所、結露が発生する場所、じんあい・水蒸気が多量に滞留する場所、 腐食性ガスが発生するおそれのある場所などには煙感知器を設けません(消防法施行規則第23条第4項第1号ニ)。
自動火災報知設備をどの防火対象物に設けるか(延べ面積の基準)や警戒区域は、法令の類別部分です。警戒区域の面積と一辺の長さは製図でも使うので、製図の対策にまとめています。
規格:感知器の定義と公称作動温度
規格の問題は、定義の言葉(「上昇率」か「一定の温度」か、「一局所」か「広範囲の累積」か)を入れ替える形と、数字の形があります。 差動式スポット型は一局所の熱効果、差動式分布型は広範囲の熱効果の累積で作動します(火災報知設備の感知器及び発信機に係る技術上の規格を定める省令第2条第2号・第3号)。
定温式感知器の公称作動温度は60度以上150度以下で、60〜80度は5度刻み、 80度を超えるものは10度刻みです(火災報知設備の感知器及び発信機に係る技術上の規格を定める省令第14条第1項)。作動試験は公称作動温度の125%の温度の気流に投入し、室温0度で特種40秒・一種120秒・二種300秒以内に作動すること (火災報知設備の感知器及び発信機に係る技術上の規格を定める省令第14条第2項)。特種がいちばん速い、という順番も押さえておきます。
このひっかけを○×で確認する
○か×か:取付け面の高さが10メートルの場所には、差動式スポット型感知器を設けることができる。
規則第23条第4項第2号の表では、8m以上15m未満の場所に設けられるのは差動式分布型、イオン化式スポット型一種・二種、光電式スポット型一種・二種です。差動式スポット型・補償式スポット型・定温式は8m未満までしか使えません。(出典:消防法施行規則第23条第4項第2号)
○か×か:取付け面の高さが10メートルの場所には、差動式分布型感知器を設けることができる。
規則第23条第4項第2号の表で、差動式分布型は4m未満・4m以上8m未満・8m以上15m未満のいずれの区分にも挙がっています。15m以上20m未満の区分には入っていません。(出典:消防法施行規則第23条第4項第2号)
○か×か:耐火構造以外の防火対象物で取付け面の高さが4メートル未満の場合、差動式スポット型感知器二種の感知面積は70平方メートルである。
規則第23条第4項第3号ロの表で、差動式スポット型二種(4m未満)は、特定主要構造部を耐火構造としたものは70㎡、その他の構造は40㎡です。耐火構造とその他の構造で値が異なる点がひっかけどころです。(出典:消防法施行規則第23条第4項第3号ロ(表))
○か×か:煙感知器を設ける場合、取付け面から0.4メートル以上突出したはりで区画された部分は、それぞれ別の感知区域となる。
規則第23条第4項第3号ロのかっこ書きで、差動式分布型感知器又は煙感知器を設ける場合は0.6m以上突出したはり等で感知区域が区画されます。0.4mは熱スポット型などの場合の値です。(出典:消防法施行規則第23条第4項第3号ロ)
○か×か:定温式感知器の公称作動温度は、60度以上150度以下とされている。
規格省令第14条第1項は、定温式感知器の公称作動温度を60度以上150度以下とし、60度以上80度以下は5度刻み、80度を超えるものは10度刻みと定めています。(出典:火災報知設備の感知器及び発信機に係る技術上の規格を定める省令第14条第1項)
甲4の科目構成と勉強の順番は甲4の難易度と合格率へ。感知器の名称や数値は実技の鑑別でも記述で問われます(実技(鑑別)対策)。規格の条文は感知器及び発信機に係る技術上の規格を定める省令(e-Gov)で確認できます。
よくある質問
出典:消防法・消防法施行令・消防法施行規則(e-Gov法令検索)、一般財団法人消防試験研究センター「消防設備士試験」受験案内・試験科目及び問題数・試験の方法・受験資格・試験の一部免除一覧表・試験実施状況(令和7年度)・よくある質問(2026年10月23日確認)。
消防設備士甲4の○×ドリルを始める →登録不要・インストール不要