酸化プロピレンの性質。重合しやすいので不活性ガスを封入して貯蔵する
酸化プロピレンは特殊引火物の1つで、重合しやすいことと水によく溶けることが試験の中心です。 貯蔵は窒素などの不活性ガスを封入、消火は耐アルコール泡。二硫化炭素の水没貯蔵と入れ替える選択肢に注意します。
結論:酸化プロピレンの性質一覧
| 品名 | 特殊引火物 |
|---|---|
| 水に | 溶ける(水溶性) |
| 指定数量 | 50L |
| 引火点 | -37℃ |
| 発火点 | 資料により差 |
| 沸点 | 約35℃ |
| 液比重(水=1) | 0.83 |
| 蒸気比重(空気=1) | 2 |
| 燃焼範囲 | 2.8〜37vol% |
無色(エーテル臭)。重合熱で発火・爆発のおそれがあるため不活性ガスを封入して貯蔵。水溶性なので泡消火は耐アルコール泡。
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試験で問われる酸化プロピレンの性質
重合しやすい → 不活性ガスを封入
重合しやすく重合熱で発火・爆発のおそれ。窒素等の不活性ガスを封入して貯蔵。重合は分子どうしがつながる反応で、そのとき出る熱(重合熱)が火元になります。 「空気を満たして貯蔵」「水中に沈めて貯蔵」はどちらも×です。
水によく溶ける
第4類は水に溶けないものが多い中で、酸化プロピレンは水によく溶ける。特殊引火物ではアセトアルデヒドも水溶性です。
有毒・静電気
蒸気は有毒で、皮膚に付くと凍傷様の障害。また静電気が発生しやすいので、取り扱うときは接地などの静電気対策をします。
引火点-37℃・沸点約35℃で、特殊引火物の定義のうち「引火点-20℃以下かつ沸点40℃以下」に当てはまります。発火点は資料によって値の差が大きいため、このページでは数値を載せていません。 定義の読み方は特殊引火物の覚え方で詳しく扱っています。
特殊引火物4物質との比較
| 項目 | ジエチルエーテル | 二硫化炭素 | アセトアルデヒド | 酸化プロピレン |
|---|---|---|---|---|
| 引火点 | -45℃ | -30℃ | -39℃ | -37℃ |
| 発火点 | 160℃ | 90℃ | 資料により差 | 資料により差 |
| 沸点 | 約34.6℃ | 約46℃ | 約21℃ | 約35℃ |
| 液比重 | 0.71 | 1.26 | 0.78 | 0.83 |
| 水に | わずかに溶ける | 溶けない | 溶ける | 溶ける |
| 貯蔵の要点 | 光・空気で爆発性の過酸化物を生成。直射日光を避け密栓して冷暗所貯蔵 | 水より重く水に溶けないため水中(水没)貯蔵で蒸気発生を抑える | 貯蔵タンクには窒素等の不活性ガスを封入 | 重合しやすく重合熱で発火・爆発のおそれ。窒素等の不活性ガスを封入して貯蔵 |
貯蔵方法は「その物質の弱点」で分かれます。ジエチルエーテルは光と空気で過酸化物ができるので冷暗所に密栓、二硫化炭素は水より重く水に溶けないので水没貯蔵、アセトアルデヒドと酸化プロピレンは不活性ガスの封入です。水に溶ける酸化プロピレンを水没させても蒸気を抑えられない、と理由から覚えると入れ替えに強くなります。
貯蔵・取扱い・消火
| 貯蔵 | 窒素などの不活性ガスを封入。容器は密栓し、火気・直射日光を避ける |
|---|---|
| 取扱い | 静電気が発生しやすいので接地する。蒸気は有毒なので換気し、皮膚に付けない |
| 消火 | 水溶性のため普通の泡は溶けて壊れる。泡は耐アルコール泡(水溶性液体用泡消火剤)を使い、窒息消火する。水(棒状・霧状)は使わない |
消火剤の適否の全体像は消火の覚え方にまとめています。
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酸化プロピレンのひっかけ・○×問題
酸化プロピレンは水に溶けないので水没貯蔵する → ×
水によく溶け、不活性ガスを封入して貯蔵 → 酸化プロピレンの重合熱のひっかけ
水没貯蔵は二硫化炭素の方法
水より重く水に溶けない物質だけに使える → 二硫化炭素は水没貯蔵のひっかけ
水溶性の液体の火災にも普通の泡で足りる → ×
普通の泡は溶けて壊れる → 水溶性液体には耐アルコール泡のひっかけ
特殊引火物の指定数量は50L
第一石油類の数字との入れ替えに注意 → 特殊引火物の指定数量のひっかけ
○か×か:酸化プロピレンは重合しやすく、重合の際に発生する熱によって発火・爆発するおそれがある。
答えと解説を見る →
○か×か:酸化プロピレンは水にほとんど溶けないため、水中に沈める水没貯蔵で蒸気の発生を抑える。
答えと解説を見る →
○か×か:ジエチルエーテルなどの特殊引火物の指定数量は50リットルであり、第四類の品名の中で最も少ない。
答えと解説を見る →
よくある質問
Q. 酸化プロピレンを不活性ガスを封入して貯蔵するのはなぜですか?
A. 重合しやすく重合熱で発火・爆発のおそれ。窒素等の不活性ガスを封入して貯蔵とされているためです。空気を窒素などの不活性ガスに置き換えて、重合や引火の危険を抑えます。アセトアルデヒドも同じく不活性ガスを封入します。
Q. 酸化プロピレンは水に溶けますか?
A. 水によく溶けます(水溶性)。そのため火災では普通の泡が溶けて壊れるので、耐アルコール泡を使います。水に溶けないことを利用した「水没貯蔵」は二硫化炭素の方法で、酸化プロピレンには当てはまりません。
Q. 酸化プロピレンはなぜ特殊引火物なのですか?
A. 特殊引火物の定義(発火点100℃以下、または引火点-20℃以下かつ沸点40℃以下)のうち、引火点-37℃・沸点約35℃で後半の条件に当てはまるためです。指定数量は特殊引火物として50Lで、水溶性でも数量は変わりません。
出典:物性値は国際化学物質安全性カード(ICSC)、厚生労働省 職場のあんぜんサイト モデルSDS、メーカー・石油元売りSDS等を2ソース以上で照合した値( 乙4の学習で一般的な値を採用)。「資料により差」は資料間の食い違いが大きく数値を載せていない項目です。品名の定義は消防法 別表第一 備考、指定数量は危険物の規制に関する政令 別表第三(e-Gov法令検索)。
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