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タンク貯蔵所の覚え方:屋外・屋内・地下・移動タンクの違い

タンク貯蔵所は5種類あり、名前が似ているぶん基準の取り違えが起きやすい単元です。 特に混ざりやすいのが間隔の数字(0.1m・0.5m・1m)と容量の上限。 「タンクがどこにあるか」から基準を連想できるように、5種類を並べて整理します。

結論
保安距離が必要なのは屋外タンクだけ(周囲に防油堤:容量の110%以上)。 屋内タンクは平家建の専用室・指定数量の40倍以下。 地下タンクは頂部が地盤面から0.6m以上下。 簡易タンクは600L以下・3基まで。 移動タンクは30,000L以下・4,000Lごとに間仕切り。
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移動タンク貯蔵所の区分は無料の「指定数量・危険物の基本」エリア、施設の基準は「施設・基準・運搬」エリアに収録。

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5種類のタンク貯蔵所の比較

区分タンクの場所容量の上限保安距離
屋外タンク貯蔵所屋外上限なし必要
屋内タンク貯蔵所原則、平家建の建物のタンク専用室指定数量の40倍以下なし
地下タンク貯蔵所地盤面下(原則タンク室)上限なしなし
簡易タンク貯蔵所原則屋外1基600L以下なし
移動タンク貯蔵所車両に固定30,000L以下なし

出典:危険物の規制に関する政令第11条〜第15条(e-Gov法令検索で条文を確認)。保安距離=危政令第9条第1項第1号(第10条・第11条・第16条・第19条で準用)、危規則第12条第2項。 屋内タンクの容量は、第4石油類・動植物油類以外の第4類なら20,000Lが上限になります(下で解説)。

屋外タンク貯蔵所:保安距離・空地・防油堤

屋外タンク貯蔵所は、製造所と同じ保安距離(住居10mなど)を保つ施設です。タンクの周囲には、指定数量の倍数に応じた幅の空地を保有します。

指定数量の倍数空地の幅
500以下3m以上
500を超え1,000以下5m以上
1,000を超え2,000以下9m以上
2,000を超え3,000以下12m以上
3,000を超え4,000以下15m以上
4,000を超えるタンクの直径か高さの大きいほう(15m以上)
防油堤は「最大のタンク」の110%
液体の危険物(二硫化炭素を除く)の屋外貯蔵タンクの周囲には、漏れた危険物が流れ出さないように防油堤を設けます。 引火点を有する液体の危険物の場合、容量はタンクの110%以上(2基以上なら最大のタンクの110%以上)、高さは0.5m以上です。
避雷設備は指定数量の倍数10以上
指定数量の倍数が10以上の屋外タンク貯蔵所には、原則として避雷設備を設けます(周囲の状況で安全上支障がない場合を除く)。

屋内タンク貯蔵所:平家建・0.5m・40倍

屋内タンクは、原則として平家建の建築物に設けたタンク専用室に置きます(引火点40℃以上の第4類だけを扱うものは平家建以外の建築物に専用室を設ける基準もあります。危政令第12条第2項)。 タンクと専用室の壁の間、タンク同士の間はどちらも0.5m以上あけます。 専用室の出入口のしきいは床面から0.2m以上の高さにします。

容量は指定数量の40倍以下(同じ専用室に2基以上ならその合計)。 ただし第4石油類・動植物油類以外の第4類は、40倍が20,000Lを超えるときは20,000Lが上限です。 たとえば灯油(第2石油類・非水溶性、指定数量1,000L)は40倍だと40,000Lですが、上限は20,000Lになります。 第4石油類(指定数量6,000L)は240,000Lまで置けます。

地下タンク貯蔵所:0.1m・0.6m・1m

項目基準
タンクとタンク室の内側0.1m以上(周囲に乾燥砂)
タンクの頂部地盤面から0.6m以上下
2基以上隣接するタンクの間1m以上(容量の合計が指定数量の100倍以下なら0.5m以上)

ほかに、液体の危険物の漏れを検知する設備を設けること、配管はタンクの頂部に取り付けること、注入口は屋外に設けることが定められています。

簡易タンク貯蔵所:600L・3基・同じ品質は1基

簡易タンクは1基600L以下。1つの簡易タンク貯蔵所に置けるのは3基までで、同じ品質の危険物のタンクを2基以上置くことはできません。 屋外に置くときは周囲に1m以上の空地、専用室に置くときは壁との間に0.5m以上の間隔をとります。

移動タンク貯蔵所:30,000L・4,000Lごとの間仕切り

容量と間仕切り
タンクの容量は30,000L以下。内部は4,000L以下ごとに完全な間仕切りを設け、仕切った部分ごとにマンホールと安全装置を設けます(防波板も総務省令の定めに従って設けます)。
常置場所は「屋外の安全な場所」か「建物の1階」
屋外の防火上安全な場所、または壁・床・はり・屋根を耐火構造か不燃材料で造った建築物の1階に常置します。
車両に備え付ける書類は4つ
完成検査済証・定期点検の点検記録・譲渡・引渡の届出書・品名・数量・指定数量の倍数の変更の届出書。

移動タンク貯蔵所は「車で運ぶ」施設ですが、区分は取扱所ではなく貯蔵所です(製造所等の区分の覚え方)。 移送のときのルール(免状の携帯など)は運搬と移送の違いで解説しています。

出典:屋外タンク=危険物の規制に関する政令第11条第1項、危険物の規制に関する規則第22条(防油堤)。屋内タンク=同政令第12条第1項。 地下タンク=同第13条第1項。簡易タンク=同第14条。移動タンク=同第15条第1項・第26条第1項第9号、同規則第40条の2の3。 簡易タンクの容量・空地は hourei-facts.json(危政令第2条・第3条・第14条・危政令第9条第1項第2号ほか各施設条項)。e-Gov法令検索で条文を確認。

ひっかけの型

移動タンク貯蔵所は取扱所の一種 → ×
車両に固定されたタンクで貯蔵する「貯蔵所」 → 移動タンク貯蔵所の区分のひっかけ
2基のタンクを囲む防油堤は、2基の容量の合計の110%以上 → ×
基準は「容量が最大のタンク」の110%以上
地下タンク貯蔵所にも保安距離が必要 → ×
タンク貯蔵所で保安距離が必要なのは屋外タンク貯蔵所だけ
簡易タンク貯蔵所には同じ品質のタンクを3基まで置ける → ×
3基までだが、同一品質の危険物のタンクは2基以上置けない

タンク貯蔵所ごとの消火設備は消火設備の覚え方、 定期点検が必要な施設は定期点検・予防規程・保安検査の違いで解説しています。

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よくある質問

Q. 保安距離が必要なタンク貯蔵所はどれですか?
A. 屋外タンク貯蔵所だけです(危政令第9条第1項第1号(第10条・第11条・第16条・第19条で準用)、危規則第12条第2項)。屋内タンク・地下タンク・簡易タンク・移動タンクの貯蔵所には保安距離の定めがありません。
Q. 防油堤の容量はタンク容量の何%以上ですか?
A. 引火点を有する液体の危険物の屋外貯蔵タンクでは、タンク容量の110%以上です。2基以上のタンクを同じ防油堤で囲むときは、最大のタンクの容量の110%以上です(危険物の規制に関する規則第22条第2項第1号)。全タンクの合計の110%とする選択肢は×です。
Q. 移動タンク貯蔵所(タンクローリー)に備え付ける書類は何ですか?
A. 完成検査済証・定期点検の点検記録・譲渡・引渡の届出書・品名・数量・指定数量の倍数の変更の届出書です(危険物の規制に関する政令第26条第1項第9号、危険物の規制に関する規則第40条の2の3)。危険物取扱者の免状は書類として備え付けるのではなく、移送のときに乗車する危険物取扱者が携帯します(消防法第16条の2、危政令第30条の2、危規則第47条の2)。

出典:危険物の規制に関する政令第11条〜第15条・第26条第1項第9号、危険物の規制に関する規則第22条・第40条の2の3(2026-10-21照合)。 保安距離=危政令第9条第1項第1号(第10条・第11条・第16条・第19条で準用)、危規則第12条第2項、移送=消防法第16条の2、危政令第30条の2、危規則第47条の2(2026-07-05照合)。いずれも e-Gov法令検索で条文を確認。

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