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定期点検・予防規程・保安検査の違いと対象施設

定期点検・予防規程・保安検査は、どれも「施設の安全を保つ制度」なので混ざりやすい単元です。 区別のポイントは誰がやるか(自分か、市町村長等か)とどの施設が対象かの2つ。 予防規程の対象施設を軸にして、定期点検との差を覚えるのが近道です。

結論
定期点検=自分で点検(1年に1回以上、記録3年保存)。予防規程=ルールを定めて市町村長等の認可。保安検査=市町村長等が行う検査(10,000kL以上の特定屋外タンク貯蔵所と一部の移送取扱所だけ)。 地下タンク貯蔵所・移動タンク貯蔵所は予防規程は不要、定期点検は必要。
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3つの制度の違い

制度何をする誰が頻度
定期点検基準に合っているか自分で点検し、記録を保存危険物取扱者・危険物施設保安員(取扱者の立会いで他の人も可)1年に1回以上。記録は原則3年保存
予防規程火災予防のルールを定める所有者等が定め、市町村長等の認可(変更時も)定期の期限はなし
保安検査構造・設備が基準どおりか検査市町村長等が行う検査を所有者等が受ける特定屋外タンク貯蔵所は原則8年ごと、移送取扱所は1年ごと

出典:定期点検=消防法第14条の3の2、危政令第8条の5、危規則第62条の4〜第62条の8。予防規程=消防法第14条の2第1項、危政令第37条・第7条の3。保安検査=消防法第14条の3、危険物の規制に関する政令第8条の4。e-Gov法令検索で条文を確認。

対象施設の一覧

「倍数」は指定数量の倍数です。保安検査の対象は下の別枠で説明します。

施設定期点検予防規程
製造所倍数10以上、または地下タンクあり倍数10以上
屋内貯蔵所倍数150以上倍数150以上
屋外タンク貯蔵所倍数200以上倍数200以上
屋外貯蔵所倍数100以上倍数100以上
一般取扱所倍数10以上(一部除く)、または地下タンクあり倍数10以上(一部除く)
給油取扱所地下タンクあり必要(自家用で屋内給油取扱所以外のものを除く)
移送取扱所必要(保安検査の対象のものを除く)必要
地下タンク貯蔵所すべて不要
移動タンク貯蔵所すべて不要
屋内タンク・簡易タンク貯蔵所、販売取扱所不要不要

出典:危険物の規制に関する政令第7条の3(倍数の基準)・第8条の5(定期点検)・第37条(予防規程)、危険物の規制に関する規則第9条の2・第61条(除外)。 鉱山保安法の保安規程・火薬類取締法の危害予防規程を定めている製造所等は、どちらも対象外です。e-Gov法令検索で条文を確認。

覚え方:予防規程の施設を軸に、差分だけ覚える

予防規程=「量の多い5施設+移送取扱所+給油取扱所」
製造所10・屋内貯蔵所150・屋外タンク貯蔵所200・屋外貯蔵所100・一般取扱所10(いずれも倍数「以上」)と、移送取扱所・給油取扱所。 数字は製造所と一般取扱所が同じ10、屋外貯蔵所100→屋内貯蔵所150→屋外タンク200と50ずつ増えます。
定期点検=予防規程の施設から給油取扱所を外し、「地下タンク」と「移動タンク」を足す
地下タンク貯蔵所・移動タンク貯蔵所は量にかかわらず定期点検が必要。製造所・給油取扱所・一般取扱所も地下タンクがあれば対象です。
保安検査は「市町村長等が来る」特別枠
定期点検は自分たちで行い、保安検査は市町村長等が行う検査を受けます。対象は大規模な屋外タンクと一部の移送取扱所だけです。

保安検査の対象と時期

対象時期
特定屋外タンク貯蔵所(最大数量10,000kL以上)原則8年ごと(保安のための措置などに応じて期間の特例あり)
一定規模以上の移送取扱所(※)1年ごと

※配管の延長が15kmを超えるもの、または最大常用圧力が0.95MPa以上で配管の延長が7km以上15km以下のもの。 特定屋外タンク貯蔵所は、不等沈下などが生じたときにも保安検査を受けます(臨時の保安検査)。

出典:消防法第14条の3、危険物の規制に関する政令第8条の3・第8条の4。e-Gov法令検索で条文を確認。

定期点検に上乗せされる「漏れの点検」

地下貯蔵タンクと移動貯蔵タンクは、毎年の定期点検に加えて漏れの点検が定められています。

対象漏れの点検記録の保存
地下貯蔵タンク1年以内ごと(完成検査から15年を超えないもの等は3年以内ごと)3年
移動貯蔵タンク5年以内ごと10年

出典:危険物の規制に関する規則第62条の5の2・第62条の5の4・第62条の8。二重殻タンクの内殻など、漏れの点検が不要な例外もあります。e-Gov法令検索で条文を確認。

ひっかけの型

定期点検の記録は市町村長等に提出しなければならない → ×
作成して原則3年保存する(消防法第14条の3の2)。提出は定められていない → 定期点検の回数と記録のひっかけ
予防規程を定めたときは市町村長等に届け出る → ×
届出ではなく「認可」。変更時も認可 → 予防規程は「認可」のひっかけ
移動タンク貯蔵所は予防規程を定めなければならない → ×
移動タンク貯蔵所に必要なのは定期点検。予防規程の対象ではない
保安検査は所有者等が自ら行い、記録を保存する → ×
それは定期点検。保安検査は市町村長等が行う検査を受ける

許可・認可・承認・届出の区別は法令の覚え方、 危険物保安監督者の選任が必要な施設は危険物保安監督者の記事、 タンク貯蔵所の基準はタンク貯蔵所の覚え方で解説しています。

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よくある質問

Q. 定期点検の記録は市町村長等に提出する必要がありますか?
A. 消防法第14条の3の2で定められているのは、点検をして点検記録を作成し、保存することです。記録は原則3年間保存します(危険物の規制に関する規則第62条の8)。同条が義務づけているのは作成と保存で、市町村長等への提出は定められていません。
Q. 予防規程は「許可」「認可」「届出」のどれですか?
A. 市町村長等の「認可」です。定めるときも変更するときも認可を受けます(消防法第14条の2第1項、危政令第37条・第7条の3)。許可・届出とすり替えた選択肢は×です。
Q. 移動タンク貯蔵所に予防規程や定期点検は必要ですか?
A. 予防規程は不要ですが、定期点検は量にかかわらず必要です(危険物の規制に関する政令第8条の5第3号)。さらに移動貯蔵タンクの漏れの点検を5年以内ごとに行い、その記録は10年間保存します(危険物の規制に関する規則第62条の5の4・第62条の8)。

出典:定期点検=消防法第14条の3の2、危政令第8条の5、危規則第62条の4〜第62条の8。予防規程=消防法第14条の2第1項、危政令第37条・第7条の3(2026-07-05照合)。 保安検査・漏れの点検・対象施設の除外=消防法第14条の3、危険物の規制に関する政令第8条の3〜第8条の5、危険物の規制に関する規則第9条の2・第61条・第62条の4〜第62条の8(2026-10-21照合)。 いずれも e-Gov法令検索で条文を確認。

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